クリスチャン ルブタンは、様々な方法で伝統に縛られない自由な女性像をコレクションの中で表現してきました。今シーズン、2016AWサブコレクションの典型的なマスキュリンなスタイルも、その例外ではありません。うつろいやすい女性の心と、マレーネ・ディートリヒ（Marlene Dietrich）のようなパワフルでアンドロジニアスな雰囲気のアイコンが内包する、抗いがたいセンシュアルな魅力が、本コレクションのアイデアのベースとなりました。メンズウエアにインスパイアされた今シーズンのシューズは、フランネル、ウール、カシミヤといった伝統的なメンズのテキスタイルを熟練の職人のテーラリングによって仕上げているのが特徴。ルブタン オムの伝統を受け継いだ、アンクルブーツ、オックスフォード、ダービーなどのマスキュリンなシルエットは、過去のシーズンでは「Zazou」や「Platt Dance Flat」に影響を与え、フォーマルとエフォートレスのバランスが取れたデザインが、意外性のあるセクシーな魅力を漂わせます。

ルブタン オムの、長く、スリムで、彫刻的なイタリアンスタイルを、女性のファッションに合うように再解釈した「Masterpump Flat」。3種類のバリエーションで展開するドレスシューズです。ウルトラスリムなイタリアンシルエットを、定番のオックスフォードシルエットと組み合わせて魅力的な印象に。フェミニンな魅力を損なうことなく、男性的な装いのエッセンスを取り入れることで、身に着ける人のセンシュアリティを最大限に引きだします。滑らかで艶やかなパテントレザーを使用したモデルは、多忙なアントレプレナーたちにオマージュを捧げたデザインで、ダークグレーのFusainと真紅のOrthodoxeの2色のスエードを組み合わせたモデルは、由緒正しいアイビーリーグの学生風。ブラックベルベットのモデルは、メンズのスモーキングジャケットの持つ巧妙さとデカダンスをイメージさせます。

よりカジュアルなタイプの「F.R.W.L Orlato」は、ヌーヴェル・ヴァーグ映画の女優たちの、シックなアンニュイさを漂わせます。控えめな印象のブリティッシュスタイルのトウが特徴。ペイズリープリントのフランネルカシミヤと真紅のフランネルの組み合わせに、ナッパレザーをあしらったトウ部分。スポーティーなブロックヒールで仕上げました。ヒール部分はブラックレザーをポイントに効かせたカラーブロックの配色が、緻密でグラフィカルなラインを描きます。

堂々たるデザインに再定義された「Masterboot」は、エッジィなブラックのパテントカーフレザーと豪華なネイビーブルーのスエードを使用。定番のチェルシーブーツに、しなやかなサイドゴアにプルストラップをプラスした「Masterboot Flat」は、洗練された快適な履き心地が魅力です。コレクションの最後にご紹介するのはブラックのブロックヒールを合わせたチェルシーブーツ「Gadessita 55」。艶のあるブラックのナッパレザーとキャラメルカラーのスエード素材で仕上げました。2016AWウィメンズコレクションで展開されたメンズライクなこれらのアイテムは、クリスチャン ルブタンならではのユニークさと周囲を魅了するフェミニンな雰囲気を併せ持っています。